Kotobanoyukue

自分が何者か忘れぬように

30代初見の「トレインスポッティング」の感想

30代初見の「トレインスポッティング」の感想

私は思春期の頃、この類のオサレムービー(「時計仕掛けのオレンジ」とか)にアレルギー反応を起こす質だった。当時は若気の至りで、似非サブカル野郎叩きに熱中していたのだ。「似非」を暴くことに必死で、ほころびを見つけては「正体見たり!」と、喜んでいた。(「オモコロ」出身のサレンダー橋本「恥をかくのが死ぬほど怖いんだ」で、まさに私みたいな若者が出てくるんだけど、「この感覚って今の若者でもあるんだ」~と感慨深くなった)。

 

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恥をかくのが死ぬほど怖いんだ。 (小学館クリエイティブ単行本)

恥をかくのが死ぬほど怖いんだ。 (小学館クリエイティブ単行本)

 

 それから20余年。就職し、結婚し、人の親となり・・・今の私なら、かつての「中二」な拒否感も緩和されたかなと思い、ついにトレスポを鑑賞!

 
…うん、やっぱりおしゃれだった。

この映画が流行っていた当時は、この映画のジャケがプリントされたTシャツを着ている人をよく見かけたが、鑑賞後、「ジャケに偽りなし」と、感じた。「若者・ドラッグ・暴力・セックス・刹那・怠惰・おしゃれ」うへぇ。げっぷがでる。そういう意味では、パケにいつわりなし。

薬物依存症を悲惨に描かない違和感

私は身近に薬物依存症がいたので、ドラッグムービーの見方が独特なんだけど、この映画からは「ヘロインの怖さ」が、まったく伝わらなかった。「そもそもそういう啓蒙映画じゃねーから」っていうのは大前提であるんですけど。にしても、「トレスポ」におけるヘロインの描き方は、軽いんです。この映画全体を通していえるのだけど、薄汚い現実を気取って描きすぎて(赤ちゃんがネグレクト死する)、美しいもの(ヘロから得られる多幸感)を、薄汚く描きすぎなように感じました。この「オシャレなウソ」の空気感は、この映画全体を覆っている。15歳の時、映画のジャケを見て感じたモヤッと感は、20年越しに鑑賞した今も変わらなかった。