Kotobanoyukue

自分が何者か忘れぬように

ダブルバインド上司の対処法

再就職先(今の職場)で、私は直属の上司とうまくいかなかった。絶対的に「そりが合わない」という人間関係をこんなに体感したのは初めてだった。上司は、いつも私の書いた原稿やクライアントへのメールを、文字通り一言一句チェックをし、ダメ出しした。ダメ出しは新人なので仕方あるまい(若くないのが痛いけど)。私は心から「私の考えが至らないのだ」と、真剣に反省していたが、ダメ出し&監視をされ続けてどんどん心が病んでいった。なぜなら、彼女は一切、ケツを拭かないからだ。おまえは「無責任に上から目線で底辺女性に説教する年収2千万円の医者の嫁(@発言小町)か!」とつっこみたくなるほどだった。つねに他人事感100%なのだ。彼女はダメ出しの最後にいつも「~と、いろいろ言ったけど、最後はあなたが決めることだからね」と付け加えた。この言葉は一見、いい言葉風で全然違う。相手に逃げ道を作らないのだ。彼女の言うとおりにすると「主体性がない」と責められ、自分の思うようにやると、あらゆる方向からダメ出しを食らうからた。

私は、言葉通りに意味を受け取りとりすぎるところもあるので、微妙なニュアンスを汲む能力に欠けていたのかもしれない。でも、ただただつらく、仕事をまったく楽しいと思わなかった。悔しいが、彼女の語彙力や文章力は私よりもはるかに高い。私がどんなに時間をかけて文章を作っても、彼女から見ると欠陥だらけで稚拙に見えたのだろう。私はいつの間にか「主体性がないと思われる悔しさ」と「さらなるダメ出しを食らうつらさ」を天秤にかけて、常に前者を選ぶようになった。原稿のクオリティもそっちのほうが上がるだろうし、どっちにしろバカだと思われていることに変わりはなかったから。工数の削減にもなるしね(笑)。

私は憂鬱な気持ちで働きながら、毎日、なぜ彼女と仕事をするのがなぜつらいかを考えた。私のメンター(笑)グーグル先生にも「上司 合わない」「上司 付き合い方」「上司 細かい」など教えを乞うた。そこで至った結論。私の置かれた状況は「ダブルバインド」なのだ。だから苦しかったのだと。

ダブルバインドDouble bind)とは、ある人が、メッセージメタメッセージが矛盾するコミュニケーション状況におかれること。

  1. 2人以上の人間の間で
  2. 繰り返し経験され
  3. 最初に否定的な命令=メッセージが出され
  4. 次にそれとは矛盾する第二の否定的な命令=メタメッセージが、異なる水準で出される
  5. そして第三の命令はその矛盾する事態から逃げ出してはならないというものであり
  6. ついにこのような矛盾した形世界が成立しているとして全体をみるようになる

という状態をいう。

たとえば、親が子供に「おいで」と(言語的に)言っておきながら、いざ子供が近寄ってくると逆にどんと突き飛ばしてしまう(非言語的であり、最初の命令とは階層が異なるため、矛盾をそれと気がつきにくい)。呼ばれてそれを無視すると怒られ、近寄っていっても拒絶される。子は次第にその矛盾から逃げられなくなり疑心暗鬼となり、家庭外に出てもそのような世界であると認識し別の他人に対しても同じように接してしまうようになる。

Wikiより)

で、ダブルバインドの状況に置かれた人はこうなるらしい。

  • 言葉に表されていない意味にばかり偏執する(妄想型)
  • 言葉の文字通りの意味にしか反応しなくなる(破瓜型)
  • コミュニケーションそのものから逃避する(緊張型)

上の精神状態、私全部当てはまってるやん。

彼女は常に「あなたのことは信頼できない・あなたは阿呆である(態度・ふるまい)」とセットで「あなたのやりたいようにやれ(口語による)」とメッセージを私に投げ続けた。次第に私は彼女の前では、どもりが激しくなり(そもそもどもりがちではある)、コミュニケーション自体を避けるようになった、物理的に近づくだけで体が強張った。

でも、そんな彼女も私にメールで優しく励ましてくれるときがあった。私は素直に喜んでいたのだが、優しいモードと怖いモード(通常モード)の文体があまりに違うので、なんかおかしいなと思っていたとき、あることに気づいた。彼女がやさしいメールをくれるときは、いつも部長のアドレスがCCで入っている時だった。いつも私のみTOでメールをくれるときは事務的な口調(もしくは返信なし。「了解です!」とかもなし。)なのに、部長がCCに入ると「○○さん、困ったときは相談してね!ガンバロウ!」とか、砕けた口調になるのだ。私はこれに気づいた時は愕然とした。「こんな三文ドラマみたいなことは現実にあるまい」と夫に相談したら「そんなやつ、いっぱいいるよ。○○ちゃんは今までお目出度く生きてこれて良かったね」といわれた。いやいやいやいや!!!でも、彼女はもらい物のお菓子を回すときは、なぜか私を飛ばすし、周りに人がいないときはあいさつも返さない(マジでガン無視)。

今となっては、私がまさに↓の状況に陥っていてのか(被害妄想)、

  • 言葉に表されていない意味にばかり偏執する(妄想型)

それとも鈍すぎて上司の邪悪さに気づくのが遅かったのかわからない。でも、まぁどっちでもいいかなと思っている。それは私は自分で決断を下したからだ。部長に直接「あの人といると、息が詰まるので教育係を外してください」とお願いしたのだ。再就職して1年たった頃のことだった。自分の評価に悪影響を及ぼすと思ったが、このままでは私はもたないと感じたからだ。そしたら、アッサリと教育係を外され、席も彼女と一番遠い席に変わった。そして今はどうか? めっちゃ快適です! ダブルバインドの上司で苦しんでいる人がいたら、ぜひ戦わないでほしい。それは意味のない“プレイ”だから。相手も変わらないのだから、自分の意志で環境を変えたほうが数万倍楽です(断言)!!!